新宿オペ劇10

 10回目にして、初めて見に行った演奏会です。
 というか、過ぎし冬の日にガレリア座と出会わなければ一生見に行かなかったかもしれません。
 もともとクラシックというものは、俺なんかが楽しめるタイプの音楽ではないと思ってました
し、縁もないだろうと。

 ところが飛び道具に当たって脳内を貫かれてしまったようですね。シナプス回路を繋ぎかえられ
てしまった感じ。

 さて、感想を真摯に、そして紳士に述べましょうか。

 いや、楽しかったです。美しい声とピアノの調べに魅せられ、笑いに酔いしれました。繋ぎかえ
られたシナプス回路をより太く強化されてしまったようです。

 それぞれの歌い手さん、曲についていろいろと述べたいところですが、印象に残ったところだけ
にしておきます。感想を書くには、あまりに語彙がなさすぎる。

 まずは、知ってる曲が「こうもり」と「メリーウィドウ」しかなかったです、ハイ。やはり、知
っている曲というのは、聴いていて楽しいですね。「ここでこう来るかー?!」とか、そんな楽し
み方。

 ほかには、今度ガレリア座で公演することになった、カールマンの「モンマルトルのすみれ」の
テノールのアリア。ひとときもゆるがせに出来ないようなメロディで、これは・・・・辛いぞどう
するテノール諸君、君が歌うかもしれないぞ?!ってな感じで、違う意味でもどきどき。

 しかし、一番印象に残ったのは、私と同じバリトンの清水良一さんの歌でした。
 喜歌劇「カクテル」から「ドゥシェンカ」では、なんとも甘く切ない声で歌い上げたかと思えば
喜歌劇「エル・カピタン」から「わしは断言する」では、女関係とは縁のない軍人のなさけなくも
やさしさのにじみ出る愛の告白を歌い上げつつ、笑いをかっさらうその芸達者振りに惚れるばか
り。プロフィールを拝見すると、「天国と地獄」のジュピターや、「フィガロの結婚魔笛(間違イスギ)」
のパパゲーノを演じておられたことがあるとのこと。
 ぜひみたい!! きっと笑わせてくれるに違いない!

 テノールで言うと、やはり佐藤一昭サマ(!)が最高でした。私のようなバリトンから抜け出せな
いけれどテノールにあこがれる身としては、あの色気、あの泣きの入れ方、それでも笑いを取るこ
とを忘れない貪欲さには感服するばかりなのです。

 総合的に言うと、非常に楽しめました。色々な演奏会を聞き比べての感想ではありませんので、
とにかくプロの方々の舞台に「とにかく楽しませていただきました!ご馳走さまです!」な感想
となってしまいましたが、そんな毒のねぇお前つまんねぇよとか言わないでくださいね。

 演奏会後は、例によって飲みに行ったのですが、打ち上げの席に同席させていただくという、
なんとも贅沢な飲み会となってしまいました。ガレリア座のメンバーも多数出席し、おなかいっぱ
い夢いっぱい。
 結構痛飲した上に、寝たのが3時ということもあり、二日酔い必至だと思っていたのですが、予
想外にすっきりと朝目覚め、胃が悲鳴を上げることもありませんでした。昼飯にトンカツ食える
ほどでした。

 やっぱり、楽しい酒はいいよなぁ。

★次回日記予告:野沢尚破線のマリス」のことを書くぞ!