行き過ぎた不条理

 CNNのこぼれ話で、こんなニュースを見つけました。

■ピザ食べて解雇——クビ切り話コンテストの優勝作品

http://cnn.co.jp/fringe/CNN200509080017.html

 見出しだけを見て、オドロオドロシイ話かと勘違いしましたが、中身を読んでみて吹き出してし
まいました。コントみたい。
 記事としては、「このクビ話を就業中読み耽っていて会社をクビになった」というオチも効いて
いて、落語みたいですね。

 私自身は、この手の不条理が度を越した場合の面白さ、ブラックジョークのようなおかしさは、
結構好きです。ダウンタウンの不条理コントも大好きだったし、吉田戦車の「伝染るんです」も好
き(「じゃかましいんじゃー!」と言って警官が野次馬を撃ち殺すのは面白かった・・・・・)
 しかし、この手の笑いというのは、非常に好き嫌いもありますし、日常会話では使いどころが非
常に難しい。極端なたとえですが、コントなどであれば、ぼけーっと立っている人にいきなりドロ
ップキックをかますと面白いですが、日常ではそうもいかない。
 不条理ネタというのは、誰かを犠牲にしないと成り立たないものですから、不条理なことをする
側とされる側の了解がないと、笑いとして成立しない。結構みかけるのが、不条理なことを言う上
司と、言われる部下の関係。周りから見ていると、会話がかみ合っていないし、非常に面白かった
りする場合がある。しかし、言われている方は傷ついていたりすることも多い。
 言っている方は、周りが笑っているからいいか、と喜んでいたら、言われている方がある日会社
をやめてしまった、な〜んて話が結構あるんじゃないかなぁ。
 結局何が言いたいのかというと、コントや舞台などで面白いことが、必ずしも日常で通じるわけ
じゃないってことです。相互に了解した形、最低でも相手の特性を理解した形(こいつは不条理を
言われても「おいしい」と思っている、など)でやらないと、「行き過ぎた」笑いというのは、人
を傷つける可能性があります。

 まぁ、この記事に関しては、本人の中では消化されて、もはやとっておきのネタになっているからこそ、応募してきたんだろうなぁ、と思います。

 私自身この手のネタはよく使うので、戒めの意味も込めて書いています。
 気をつけなきゃなぁ。そこのアナタ、私の言動に行き過ぎた感がある時は惜しげもなく注意して
ください。

アナタ:「お前、今のは喋りはまずいぞ」(頭をはたく)
わたし:「なんでやねん。みんな笑ってるし、こいつもおいしいと思ってるって」
アナタ:「そうじゃない。人と話すときは目を見ろ
わたし:「そっちか?!」 

 ってな感じで(笑)